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自己破産で財産隠しをするとどうなるのか
1 自己破産と財産への影響
自己破産とは、簡単に言えば借金の支払義務をなくしてもらうための裁判所の手続きです。
自己破産の手続きでは、①個別財産の金額で20万円を超えるもの、②財産総額で99万円を超える部分については、処分の対象となり、債権者への配当に回されます。
では、自己破産をしようとする際、財産を処分されないように、裁判所に対してその財産の存在を隠していた場合、どのようになってしまうのでしょうか。
2 財産隠しをすると破産が認められない可能性がある
破産法252条1項1号では、免責不許可事由として、「債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。」と規定されています。
したがって、財産隠しをしてしまうと、免責(=借金の支払義務を免除すること)の許可が得られず、自己破産の手続きが失敗して借金が残ってしまう可能性があります。
意図的な財産隠しではなく単純に財産の存在を忘れていたとか、その財産の金額が少額にとどまるなどの場合には、財産が漏れていても免責される可能性はありますが、そのようなことがないよう、自己破産を申立てる際には、しっかりと財産調査を行い、裁判所には漏れなく財産を報告する必要があります。
3 悪質な場合には詐欺破産罪に問われる可能性も
破産法265条1項1号では、債権者を害する目的で財産隠しが行われた場合、詐欺破産罪として10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、またはその両方が課せられると規定されています。
悪質な財産隠しについては、このような罰則が科せられる可能性もありますので、絶対に行ってはなりません。
4 財産隠しはバレるのか
財産隠しは絶対に行ってはならない行為ですが、仮に財産隠しをしたとしても、手続き内で発覚すると思った方がよいです。
自己破産手続きでは、裁判所に、通帳の写しや毎月の家計簿、法人の場合は決算書・自営業の方は確定申告書など、様々な資料を提出しなければなりません。
裁判所や破産管財人は、これらの資料を見て、財産として申告されたもの以外に財産は残っていないかを厳密にチェックしますので、それにより財産隠しが発覚する可能性が高いです。
財産隠しをした場合の上記リスクはかなり重いものですので、財産隠しは絶対に行わず、裁判所には財産を漏れなく報告するようにしましょう。
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